
近年、電動自転車の普及に伴い、バッテリー盗難が深刻化しています。警視庁の統計によると、2023年に東京都内で発生した電動自転車のバッテリー盗難は373件で、前年比1.6倍に急増。中古バッテリーの需要拡大(オークションサイトで状態良好品なら2万円超の値が付くケースも)や、車体より盗みやすいサイズ感が要因です。「自分は大丈夫」という油断が最大のリスク。今日から実践できる具体的な対策を解説します。
バッテリー盗難防止の3大対策
1. ハード面での防御強化
- 専用ロックの導入:車体とバッテリーを固定する「アンチカットワイヤー付きダイヤル式ロック」が効果的。例えば、中国製ながら3mm鉄芯入りワイヤーを使用したFINOバッテリーロックは、柔軟性と強度を両立。
- 二重ロックシステム:チェーンロックとU字ロックを併用することで、工具破壊の手間を増加させます。

2. 駐輪環境の最適化
- 監視下の駐輪場を選択:コンビニ駐輪場(約80%に防犯カメラ設置)や駅前の有料駐輪場がベスト。
- 「死角」を排除する配置:住宅の玄関先に置く場合は、道路から見える位置に車体を向け、バッテリー側を壁面に密着させましょう。
3. 個体識別の徹底
- 刻印サービスの活用:自治体によっては無料でバッテリーケースに固有番号を刻印。神奈川県警の調査では、刻印があると盗難被害が47%減少。
- QRコードタグ:シール型防犯タグ(例:TraceTAG)を内側に貼付し、所有者情報を登録可能なサービスも登場しています。
万が一盗まれた時の対処フロー
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110番通報
被害発覚後は速やかに警察へ。GPS搭載モデルの場合は移動履歴を提示可能(例:ヤマハの「スマートパワーアシスト」搭載車)。 -
保険会社への連絡
自転車総合保険(TSマーク付帯)や火災保険の特約で補償対象となる場合があります。2025年4月以降、主要保険会社がバッテリー盗難を明示的にカバーするプランを拡充。 -
中古市場の監視
メルカリやラクマで型番と刻印情報を検索。実際に2023年、埼玉県警がオークション出品情報を手掛かりに盗品回収した事例があります。.
最新防盗テクノロジー事例
- AI防犯カメラ連動システム(東京・豊島区実験中):駐輪場の異常動作をAIが検知し、管理者のスマホにリアルタイム通知。
- 振動感知アラーム:バッテリー内部に内蔵されたセンサーが不正な衝撃を感知すると、100dBの警報音で威嚇。